博士になった象鉛筆の戯言

北関東に生息する博士研究員の独り言をご覧あれ。

3年越しのブログ投稿: 掘り起こされた昆虫食レポ

お久しぶりです。

 

最後の投稿から3年が経ちました。浮気性の私は目移りが激しく、いつの間にかブログが視界から消えておりました。また最後の投稿から博士研究の追い込み時期に入ってしまったというのもブログから離れたもう一つの要因です。

 

最後の投稿後、博士課程を終え、国立研究所に赴任しました。そこから1年経たずして異国の地■  に派遣されようとしているのが現在の私の状況です。たまりにたまったネタはあるので、少しずつご紹介できればと思います。

 

さて早速ですがリハビリ記事の内容に移ります。今回のネタは、「昆虫食」です。

1. 昆虫食とは?

その名の通り昆虫を食べる文化を指します。ぎょっとするかもしれませんが、意外と珍しいものではなく、世界中に浸透している文化です(詳しくはwikipediaを参照ください)。イタリアサルデーニャのカース・マルツゥや韓国のポンテギ南アフリカのモパネ料理あたりはグルメの皆さんであればご存じなのではないでしょうか?

ja.wikipedia.org

ここ最近SDGsがなんとか騒がれたあたりから日本国内でのメディア露出も増え、注目されつつあります。どうやら下記の特徴が宣伝になっている模様です。

① 生産コストが低い

② おそらく環境負荷も低い

③ (粉末等にして)加工がしやすい

④ 栄養価が高い

 

で、今から3-4年前、これらとは関係なく昆虫食に興味を持った時期がありました。そのきっかけは下記の動画(閲覧注意)です。

【閲覧注意】ベアの伝説の動画です | サバイバルゲーム (ディスカバリーチャンネル) - YouTube

最初は「うわぁ...」と思って観ていましたが、何度も観るうちに徐々に幼虫がおいしそうに見えてきました。そこで「自分もむさぼりたい!」と思い始めたのです。

2. 昆虫食レポの発見

PCのファイル整理をしていたら、偶然下記のWordファイルを見つけました。

タイトルは「食虫記録」。その名の通り過去の自分が昆虫をテイスティングした際の食レポを記録したものです。内容を公開します。昆虫の奥深い味わいを知っていただければ幸いです。

3. 昆虫食レポ

以下が「食虫記録」のコピペです。どうぞご覧ください。

※一部位置情報等削除しております。

 

2018年5月26

食べ方: 刺身

味: 頭は鉄分のようでお腹は酸っぱい。

触感: 頭と胴体をかむときに「プチッ。プチッ。」となる感じ。

総評: 触感も楽しいし、一度で二種類の味が楽しめる。その辺にたくさんいるのでスナック感覚で全然いける。

 

2018年5月28

食べ方: 塩ゆでしてあるタガメの殻をむしって中身を食べる。手のところはカニを食べるときのように身を掻き出した。

味: カニの身

触感: カニの身

総評: 味に関しては塩ゆでしてあったのでただしょっぱいだけ。何より驚いたのがタガメの匂い。似てるとかではなくもうラ・フランスそのもの。殻をむしる前の状態でも既に感じることのできるレベル。これはバニラアイスに乗せるのに持って来いの一品。

 

食べ方: 佃煮?

味: 味はエビ系。

触感: 佃煮のためか、殻はそこまで硬くなく、強いて言うなら濡れ煎餅レベル。

総評: 味は悪くはないが、コクーンのような見た目と独特の臭み(アンモニア系)がNG。これが大量に入っている缶詰を目の前に出されたらちょっと受け付けない。

 

食べ方: 佃煮

味: 佃煮なのでほとんど調味料の味。

触感: エビの殻を食べている感じ+足が引っかかる感じ。

総評: これに関しては特に感想は無い。普通の雑魚とかの佃煮と一緒。スーパーでも売ってるからね。

 

食べ方: 佃煮

味: 調味料による味付けは薄く、蜂の子の甘みのようなものも感じられた。ベースは雑魚の佃煮でやはり魚介系。成虫に近いほど魚介系の味が強くなる気がした。

触感: ヤング蛹はむにゅっとした感じで、アダルト蛹はみしっとした感じ。

総合評価: 正直佃煮になってしまうと本来の味が調味料の味に隠れてしまう。味の深みが感じられなかったので次は刺身で頂きたい。

 

2018年7月3

食べ方: 糞抜きして素揚げ

味: イナゴと同様キチン質なのでエビの殻。

触感: エビの殻。

総評: ショウリョウバッタは糞抜きをするかしないか以前に身が詰まっていないので、食べ応えが無い。味に関してはエビのしっぽを揚げたような感じなのでおつまみにちょうど良い。

 

  • フキバッタ@研究室(捕獲場所は実験棟前の草むら)

食べ方: 糞抜きせずに素揚げ

味: エビの殻+エビみそ

触感: 胴体はショウリョウバッタと同じく軽い感じだが、頭はちょっと固い。

総合評価: 全体的に密度があり、ショウリョウバッタよりも食べ応えがある。味に関しても、胴体のエビの殻の味に加えて、頭部のエビみその風味も味わえるので、こっちの方がおすすめ。ちなみに今回糞抜きをしなかったためか、最後にヨモギの香りが鼻に吹き抜けて非常に爽やかだった。ただ苦みももちろんあるので、そのものの味を味わいたいならばちゃんと糞抜きをした方が良い。

 

2018年7月20

  • セミ(幼虫)@研究室(捕獲場所は事務室前の植木があるところ。時刻は17時頃)

食べ方: 素揚げ

味: 表面はキチン質なのでバッタなどと同じ。中身は焦がしたor炒ったピーナツの風味。

触感: 表皮は少し硬いが、噛むと中身のむにゅっとした触感が楽しめる。今回は火をよく通したので、柔らかい湯でエビといった程度。

総合評価: 味はよくピーナツバターと形容されるので期待をしていたが、ピーナツの風味がする程度だった。もしかしたら焦がしすぎたためかもしれないので、次は油炒めor焼きで頂きたい。食べ応えは二重丸。

 

2018年7月31

  • コオロギ@実験棟内

食べ方: ライターで炙った後、焦げた匂いがオープンキャンパスの来場者にばれ始めたのでホットプレートでのローストに変更。

味: 他の昆虫と同様、エビの唐揚げを思わせるような味わいが目立つと思いきや、中身が詰まっており、かつ味が濃いため、まさにコオロギの味とやらを楽しめる結果となった。味はバターで炒めた豆のような濃くも優しい味。

総評: 炒っている時の香りは海鮮系で、エビというよりも某島①や某島②の露店を思い出すような貝類を焼いたような香りだった。にもかかわらず味わいは上品で、そのギャップに驚かされた。触感も充実して食べ応えもあるので星5つ。

 

  • シロスジカミキリ@大学駐車場、BBQにて(捕獲場所は講義棟付近のケヤキ

食べ方: 串刺しにしてBBQの火でつるし炙り

味: 咀嚼する前は特に香りも感じず。まずは頭から頂いたところ、甘えびのような濃厚な甘さとわずかにエビみそのような苦い風味が感じられた。胴体部分は非常に身が詰まっており、肉の触感はほろりと崩れる感覚が焼きエビというよりは焼きカニに近い。味はボイルしたエビのようなしっかりとした味わい。臭みは皆無。

総評: 捕獲後、実食までの約数時間絶え間なく首を振り、「ギイギイ」威嚇をしていた様子はまさにクラブにて重低音の爆音に身をゆだねているチーマーそのもの。今まで食べてきた虫にはない大物感を実食前から漂わせており、非常に期待が高まった。いざ調理となると、そのオーラに一瞬おののいたが、覚悟を決めて首筋に鉄串をストライク。味は上でも述べたように非常に満足できるものであったが、如何せん殻、特に羽の部分が固く、甲虫を食べている実感も湧いてくるので初心者にはあまりお勧めできない。

 

2019年11月15

食べ方: 生(シーチキンの部分)

味: 金属のような風味だが香りは弱い。

総評: 対象が生存していることと、シーチキンが湿っているということで、恥ずかしながら咀嚼は躊躇ってしまった。要再挑戦。

 

4. おわりに

上記以外にもココナツワームやミルワームなどの経験はありますが、残念ながら食虫記録には記載なし、でした。個人的にはシロスジカミキリがMVPでしたね! 食べ応え、味、インパクトすべてが◎。

 

皆様も是非ともトライしてみてください。

あ、加熱は忘れずに!