博士になった象鉛筆の戯言

北関東に生息する博士研究員の独り言をご覧あれ。

奇才Jan Švankmajerのアニメーション作品

こんにちは!

Dr. SSLです。

 

本日は私が好きな芸術家Jan Švankmajerが手掛けたアニメーション作品についていくつか紹介いたします。

 

今回の記事の目次は以下のようになります。

 

1. Jan Švankmajerとは?

まずはJan Švankmajerという人物を簡単に説明いたします。

Jan Švankmajerは現在のチェコの首都、プラハ出身のアーティストです。

彼の作品は主に映像作品で、後ほどご紹介いたしますが、その多くはダークな雰囲気で、どこか社会に対する皮肉、不安といったものが伺えるものとなっております。

実は彼の個展はちょくちょく日本で開催されたりもしています。 

 

2.  Jan Švankmajerの短編アニメーション作品

それではJan Švankmajerのアニメーション作品の内、短編で手軽に見ることができるものをいくつかご紹介いたします。

①地下室の怪(原題: Do pivnice)

小さな女の子が地下室へじゃがいもを取りに行く、という作品です。女の子の表情、その他の人物の行動、そして地下室の様子がすべて恐怖を煽るようなものとなっております。作者が幼少期に抱いていた「地下室への恐れ」を具現化した作品だそうです。

(画像をタップして少し待つと再生できます)

②肉片の恋(原題: Zamilované maso)

生肉同士が寄り添い、触れ合いといった、まるで生肉同士が愛し合っているかのような作品となっております。肉片のパフォーマンスと生々しい音の組み合わせが何とも官能的で、表情、容姿といった愛の本質を隠してしまうものが無いためか、より直接的に愛という概念を感じることができるような気がします。

(画像をタップして少し待つと再生できます)

③フード(原題: Jídlo)

この作品は、breakfast、lunch、dinnerという三つの短編から構成されています。普通の食事をとるbreakfastから始まり、普段口にしないものを食事とするlunch、そして最後はカニバリズム的な要素が含まれたdinner。Jan Švankmajerは幼少期の頃から「食」に対して強迫観念があるそうですが、この作品は彼にとっての「食」を、普通の食事から段階を踏んで紐解いていくようなものにも思えます。

(画像をタップして少し待つと再生できます)
 

3. おわりに

今回は奇才Jan Švankmajerおよび彼の短編アニメーション作品のいくつかをご紹介させていただきました。

私が彼の作品を知ったのは悩み多き高校1年生の時で、人間の影の部分を映し出したかのような、気色悪さや嫌悪感といった何とも言えない暗さに包まれた彼の作品を見た時、大変心地良くなりました。

今回は短編のみのご紹介となりましたが、長編作品もいくつかあります。中でもあの有名な不思議の国のアリスがモデルとなった作品「Alice」は、 Tim Burtonが監督を務めた映画「Alice in Wonderland」(2010年公開)の世界観にも影響を与えたという話もあります。

www.imdb.com

一度ご覧になれば、シュールレアリストである Jan Švankmajerの独特の世界観にやみつきになる方もいらっしゃると思います。

 

それでは、おやすみなさい。