博士になった象鉛筆の戯言

北関東に生息する博士研究員の独り言をご覧あれ。

類推(Analogy)を利用した現象の理解

おはようございます。

Dr. SSLです。

 

書きたいネタはあるが書く気が起きないという問題を解決すべく、

本日から短めの記事をなるべく毎日作っていこうと思います。

目安は"目次が必要ないくらい"と考えています。

Twitterの延長として消費する如く読んでいただければ良いかと思います。

 

さて、今回の記事のタイトルは類推(Analogy)を利用した現象の捉え方です。

現象。

物理現象, 社会現象, 心霊現象etc...色々あって、皆さんそれぞれがその理解を得意とするフィールドも異なると思います。バックグラウンドの多い分野なら良いですが、自分の分野とはあまり馴染みのない分野で扱う現象はどう捉えますか?

私が普段異分野の勉強をする際には、タイトルにもあるように、類推(Analogy)というものを利用します。
聞きなじみがあるかは分かりませんが、何のことはありません。

 

中学校の理科の教科書で見かける良い例があります。

「電気の流れ、すなわち電流を水の流れ、そして電池による電圧上昇をエレベータと考えよう。」

これが類推の使い方そのものです。

 

類推の定義はこちらですが、

ja.wikipedia.org

言ってしまえば自分の知っている現象に当てはめて、別の現象を解釈しようとするといったようなものです。

 

実は物理の世界は基本法則が本質的に等価なものが多いです。

粒子の拡散、熱伝導、電荷の流れ、確率密度の流れ...。

近接的な表現で上記の法則を表すと、見事にそっくりな式が出てきます。

異なるのは余剰項や良く使われる"文字"(物理屋の人に怒られそうですが笑)。

 

全く異なる分野の現象を捉えようとしたとき、自分が良く知っている現象のメカニズムを当てはめて類推する。皆さんも良く自然に行っている認知過程ではないでしょうか?

 

私はもう少し違う使い方をすることがあります。

それは、ある分野では存在している現象と等価な現象が、別のフィールドでも存在できないかと考えることです。

 

例えば超伝導現象。

超伝導とは簡単に言うと、ある特殊な金属を特殊な環境においてやると、電気抵抗が0になり、磁場を嫌い始めるといった現象です。

ja.wikipedia.org

 

電気抵抗が0ということは、水の流れでいうと液体の周りとの摩擦が無い状態。

実はこれに当てはまるものは超流動という現象があります。液体のヘリウムで観測することのできる現象です。

 

では物理現象を離れて、人間の集合で考えたらどうか?(ここからはジョークとして)

人と人のコミュニケーションを広義の摩擦と考えた時、例えば学閥の存在する企業就職。個人間というよりも前後の個人と第三者との相関。あたかも弊害がないかのように成功、そしてそのサイクルは続く。圧力を加えることで発現する超伝導現象と似ている...。

あまりにも複雑すぎて決して美しい表現ができるとは思えない、つまり基本法則があったとしてもその寄与が相対的に非常に小さく見える系に当てはめること自体がナンセンスかもしれませんが考えてみることは面白いです。

 

とある原子力関係の偉い方が「科学者は自分の土俵に引きずり込む技が武器だ」と。

専門により専門を超えるという考えには私は賛同いたします。

皆さんも是非、類推を敢えて意識して、核を固めつつ身を広げてみてはいかがでしょうか?

 

以上、類推(Analogy)の紹介となります。

 

ここまで脊髄で書き続けましたが、普段の私の話し方に凄くあっていてストレスフリーに記事をかけているので、こんな感じで今後も書いていこうと思います。

 

それではまた!